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フレーム
- ・軽量化に重点を置いた、新設計のアルミキャストツインスパーフレームは、5つのセクションで構成される。
- ・各セクションの肉厚は最適化を図り、フレーム全体で1,350gの軽量化を実現した。(最も薄いセクションで、肉厚を3.5mmから3.0mmとした。)
- ・シートレールは、跨ぎやすさを考慮し、より細くしている。
- ・スイングアーム長は従来型を維持し、フレームや他のセクションのレイアウトを見直したことでホイールベースを短縮。車体のディメンションを最適化した。
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フロントサスペンション
- ・ショーワ社製のフロントサスペンションは、レース技術のフィードバックで開発された倒立テレスコピック式ビッグピストンフロントフォーク (BPF) を新たに採用。直径41mmのインナーチューブは、アウターチューブを含め、フォークアセンブリ全体が新設計。フロントサスペンションは、従来型に比べて860g の軽量化を実現。
- ・BPFを採用することにより、各フォークレッグにフォークスプリングを移動させ、オイルに完全に浸かるようにした。これによりフォークオイルの泡立ちが減り、さらに安定した減衰性能を確保している。
- ・減衰力とスプリングプリロードはフルアジャスタブル。
- ・新しいBPFでは、圧縮開始時の低速における減衰性能を特に改善している。タイトなS字カーブで方向を変える時などのダイレクトな操作感を特徴とし、コントロール性の高いハンドリングを実現。ブレーキング時も高い安定性を誇る。
- ・新しいフォークは、方向を変える時やコーナーでリーンする時など、ライダーの意志に対してほぼリニアに反応する。
- ・スムーズな操作フィーリングを備え、高い路面追従性と旋回性に貢献する。
- ・フォーク圧縮開始時から安定したレスポンスを発揮、さらに圧縮時の精度を高め、ライダーへの高いフィードバックを実現する。
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BPF |
圧力を受けるピストン表面の直径がカートリッジ型の直径より大きくなっている。
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リヤサスペンション
- ・リヤサスペンションは、スプリングプリロード、伸側・圧側減衰力ともフルアジャスタブル。圧側減衰は、細かな設定を可能にするハイ・ロースピードの2ウェイアジャスタブルタイプを採用
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スイングアーム
- ・スイングアームのデザインを見直し、900gの軽量化を図った。
- ・クッションレバーは従来型の鍛造アルミニウムからプレスアルミニウムに変更。また、アームはダイキャストとプレート材から鋳物に変更され、軽量化に貢献。
- ・さらに剛性を最適化し、軽量化することで、コーナリング性能と直線安定性をアップさせた。
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フロントブレーキキャリパー (ブレンボ社製)
- ・ラジアルマウントのブレンボ社製軽量モノブロック対向4ピストンキャリパーを新たに採用。ピストンサイズは直径32-30mmから直径32-32mmに変更。
- ・新しいブレンボ社製キャリパーは、ロゴ部分を含み見た目にもこだわったデザインとし、最先端のパフォーマンスを表現する。
- ・マウンティングボルトは中空タイプとし、軽量化を図った。
- ・フロントブレーキシステムは、従来型と比較して405g軽量化された。
- ・軽量なブレーキシステムは、車体重量を減らすことで自らブレーキ性能アップに貢献する。
- ・モノブロック構造は、キャリパー重量の削減に貢献する。
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リヤブレーキ
- ・新しい小型・軽量のNISSIN製リヤブレーキキャリパー本体はGSX-R1000と共通。
- ・従来型と比較して262g軽量化された。
- ・小型・軽量なリヤブレーキキャリパーは、バネ下重量の軽減に貢献。
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ライディングポジション
- ・15 mm短くなったホイールベースを生かし、ハンドルバーはライダーのヒップポイントに近く、やや低く取り付けられた。この新しいライディングポジションにより、ライダーの高い快適性と、自由な動きを実現。
- ・ハンドルバーは1°広い角度で取り付けている。燃料タンク形状は、サーキットでのタックイン、スポーツライディング、街乗り、快適さがより重要になる長距離走行など、さまざまな走行状況を考慮に入れながら見直した。
- ・車両/ライダーのマスが集中することにより、方向転換のしやすさや軽快なハンドリングを実現。
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調整可能なフットペグ
- ・従来型同様、フットペグは3段階に調整が可能。ライディングポジションに自由度を与える。各コンポーネントは軽量化が図られた (従来型と比較して53gの軽量化)。
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電子制御式ステアリングダンパー
- ・電子制御式ステアリングダンパーは、高速域で減衰力を増加させ、低速域で減衰力を減少させることで、安定性とシャープなハンドリングを両立(従来型から継承)。
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フロントアクスルシャフト
- ・フロントアクスルシャフトの直径は25mmから22mmに小径化、46gの軽量化を実現(締め付け構造は、インサイドアクスルスクリュー/中空ボルト型からアウトサイドアクスルスクリュー/ナット型に変更)。
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ピストン
- ・スカート長とピンボス幅の縮小によりピストン重量を削減。ピストン4本で78gの軽量化を実現。
- ・ピストン上面のバルブ逃げは、機械加工による成形ではなく、鍛造による滑らかな形状とし、燃焼効率のアップに貢献。
- ・MotoGPレーシングエンジンの開発に使用される疲労解析技術を利用したピストンデザインにより、強度を最適化、耐久性を維持しながら、大幅な軽量化を実現している。軽量化がもたらすメカニカルロスの低減が、出力特性をさらにアップさせている。
- ・可動部品の重量を徹底して削減することにより、メカニカルロスを低減。
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バルブデザイン
- ・吸気バルブはチタン製。吸気バルブヘッドのテーパーアングルが変更されている。
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クランクケース
- ・クランクケースケース上部にある5角形の大きなベンチレーションホールは、ポンピングロスの低減と軽量化に貢献。
- ・ポンピングロスをさらに低減し、燃焼効率をアップ。低中速トルクの増加に貢献する。
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- ・ホイールベースを短くするため、エンジンはドライブシャフトを中心に3°後方に回転。
- ・回転したエンジンレイアウトによりホイールベースを15mm短くすることに成功、ハンドリングの安定性とコーナリング性能をアップさせた。
- ・短いホイールベースは車両全長を短くすることに貢献、コンパクトな車体により慣性モーメントの低減を実現した。
- ・これらの見直しにより、サーキット性能を大幅にアップさせた。
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トランスミッション
- ・1速から4速と6速の(5速を除くすべてのギア) ドライブ・ドリブンギアレシオを見直した。
- ・トランスミッション関連コンポーネントの重量は185g軽量化された。
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- ・低中速回転域の加速性能を改善し、サーキットなどのコーナー出口の加速を力強くした。
- ・クロスレシオトランスミッションはスムーズなシフティング操作を実現し、エンジンパワーを効率よく路面に伝える。
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バックトルクリミッター
- ・バックトルクリミッターによりスムーズなシフトダウンを実現。ブレーキング時の車体の安定性に貢献する。
- ・サーキットなどでの素早いシフトダウン時の安定性を確保する。
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- ・ライダーの好みに応じ、出力特性を選択できるS-DMSを搭載。パフォーマンスと使いやすさを追求し、2マップ選択とした。
- ・よりスムーズな操作のために、S-DMSスイッチを左ハンドルバーに移動させた。
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※インジケーターランプは撮影用に点灯させたものです。
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マフラー
- ・新設計のマフラーは、よりコンパクトかつ軽量化を果たした。4-into-1エキゾーストシステムは、ステンレス製エキゾーストパイプ、エキゾーストチャンバー、チタンマフラーで構成される。エキゾーストパイプ厚は薄くなり (1.2mmから1.0mmに削減) 、よりコンパクトなチャンバーとマフラーによって重量を軽く抑えている。従来型と比較して、エキゾーストパイプとチャンバーで900g軽く、マフラーは800g軽くなっている 。
- ・コンパクトでスポーティーなルックスとともに、Euro 3排出ガス規制に対応。
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インストルメントパネル
- ・インストルメントパネルは2010年GSX-R1000と共通の多機能タイプを採用。
- ・ギアポジションインジケーターは従来型を継承。
- ・ストップウォッチとラップタイマーが新たに追加され、液晶パネルが拡大されている。
- ・MotoGPマシンゆずりのエンジンRPMインジケーターを装備。1つの回転数のみ設定できる従来型から、4つの異なる回転数をインジケーターに設定可能。サーキットやワインディングにおいてシフトアップのタイミングをアシストする。
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- ・フロントカウリングは、軽量・コンパクトを追求しながら、防風効果の高いデザインとなっている。
- ・軽量化しつつ、フロント部分の面積を維持することで、小さなCdA値 (空力) と高い防風性能 (従来型と同様)を実現している。
- ・風洞実験を重ねて実現した、高いレベルのエアフロー管理。
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